エフロレッセンスがお墓を汚す。エフロの原因と取り除き方

  エフロレッセンスとは

エフロレッセンス(以下エフロ)とは、お墓や壁などに付着する白い汚れのことです。
指で触ると白い粉が付くこともあります。
鍾乳洞の様に固まっていることもあります。
別名、白華現象(はっかげんしょう)とも言います。


拡大するとこのような感じです。


お墓の周りから出てくることもあります。

エフロの原因

コンクリートやモルタルに水分が浸入し、蒸発するときにコンクリート内の石灰分とともに表面に染み出し、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとして固まることが原因です。

エフロが出て困ること

一般的に「エフロが出てもコンクリート構造物の強度には問題がない」とされていますが、

  • 白く汚れるため、見た目が悪い
  • 表面の組成を押し上げ、はく離させる場合がある

などが懸念されます。

また、一部エフロがひどい場合は、コンクリートやモルタルに大きなひび割れが存在している可能性があり、その場合は内部の鉄筋を腐食させることがあります。

エフロが出てしまった後の対策

「セメントやモルタルを使った箇所」で「水に触れる場合」はほとんどエフロが出てきます。
出てきてない場合はどこか目に見えない箇所に出ているか、気づかない程度で収まっているだけです。

エフロが出てしまった後の対策は

  • 物理的に削り取る
  • 薬品(酸系)のもので溶かす
  • 水の浸入口をふさぐ

などの対処療法しかありません。

エフロを抑える施工

完全にエフロを抑える施工は今のところ確立されていません。

ただ、経験上以下のことに気をつけることで激減させることが可能となっています。

天候の悪い日、気温の低い時期に施工をしない

雨が降っているときに施工をすると、硬化時にひび割れが多く発生することがあります。
また、気温が低い時期、具体的には5℃以下になるとセメントの硬化が上手くいかなくなります。その結果、内部の水分が移動して水路(みずみち)ができるため、エフロが出やすくなります。
これは施工経験から言っても正しいと思われます。

エフロが発生しにくい資材を使う

エフロが発生しにくい資材を使うことで、ある程度エフロを抑えることができます。
エフロの原因となる物質を抑えたり、ひび割れを防ぐ資材を混入したりする場合もあります。

正しい施工方法で行う

正しい施工方法で行い高密度のセメント、モルタルを形成することでエフロの発生を抑えることができます。

 

最初にお話しした通り、「完全にエフロを抑える施工は確立されていない」のが現状です。

ただし、上記の3つのポイントに気をつけて施工することで、かなりの割合でエフロを抑えることは可能になってきています。

エフロについてどのように考えて施工しているのか、どの様な対策を取っているのかは石材店によって異なりますので、直接聞いてみるのが確実です。
具体的に答えてくれると思います。
それが石材店選びのポイントにもなります。

とりあえず自分でなんとかできる方法

エフロが出てしまった場合、基本的には石材店に駆除、処理をしてもらうのが一番です。

もしくはホームセンターなどで「スクレーパー」を購入して駆除することもできます。


スクレーパー:タイルなどの表面の汚れを取り除く道具です。ホームセンターなどで売っています。


石の表面に付着しているエフロをスクレーパーで削り取る

*注:ただし石の状態によっては表面を傷めることもあります。施工に関しては自己責任でお願いします。

 

 

スクレーパーについては石の立山で無料配布している小冊子などにも記載されています。ご参考ください。

お墓の小冊子