お墓に彫られている名前や家紋に間違いを見つけたとき、それを修正することはできるのでしょうか?
ここでは石に書かれた文字の修正方法をご説明しています。
一度彫った家紋を修正することはできるのでしょうか?
*一般の方にも理解しやすくしてもらうため、このサイトでは「石に文字を彫刻すること」を「石に文字を書く」と表現する場合があります。
文字や家紋を修正する方法
1)文字に点や線を追加する場合
「名前に点が足りない」「線が書かれていない、長さが足りない」などの場合は、比較的簡単に修正することができます。
既存の文字に、追加で彫刻することのは比較的キレイに施工できます。
家紋の『輪の部分』を削ることも可能です。
2)文字の一部分を消す場合
石の性質上、一度彫刻した部分を消すことは非常に難しい施工となります。
2-1)接着剤や石膏(せっこう)などで埋める方法
消したい部分を接着剤や石膏などで埋め、着色することで埋める方法です。
一般的に墓石の解体などが必要なく手軽にできますが、やはり質感が異なりますので修正箇所が目立ちます。
またこの施工では、改めて文字を彫ることはできません。
*注:仕上がりは石の種類によって異なります。
2-2)同種の石で埋める方法(象嵌:ぞうがん)
修正箇所をくりぬき、くりぬいた形と同じ石をはめ込む技術を象嵌(ぞうがん)と言います。
通常、象嵌は異なる石で行い花などの模様を描きますが、文字の修正の場合は同じ種類の石を使用します。
非常に高度な技術であり、また石の状態により仕上がりが左右されます。
施工するときにお墓を解体して石をとりはずす必要があります。
同じ種類の石でも厚みが異なるため、質感が異なって見えることがあります。
また、どうしても接着部分が目立つこともあります。
この施工法だと、改めて文字を彫りなおすことができます。
2-3)修正する文字がある面を削る方法
例えばトボ石(お墓の一番上の石)の側面を修正したいときは、
下図のように、両面を削り(切り取り)ます。
*片面だけだと正面の「南無阿弥陀佛」が偏ってしまうから両面とも加工します。
2-4)上から石を貼り付けて修正する方法
修正したい面に、板石を貼り付けることで文字を修正する方法もあります。
同じ種類の石が用意できない場合、思い切って黒石を採用するのもアリです。
2-5)石をそのまま交換して修正する方法
文字が書いてある石を取り外して、新たに同じサイズの石と交換します。
同じ種類の石が用意できない場合は似た石目の石を採用します。