お墓よりも大事な基礎
お墓よりも大切なもの……それはお墓を支える「基礎」。
この「基礎」が脆弱だと、上にどんな立派なお墓を建てても傾きます。
石の立山で現在標準としている大きさの和型墓石(高さ約2.3m、骨瓶9つ収納型)の重量は約3t。
その重さを支えるためには丈夫な基礎の作成が必要です。
私はお墓職人として建墓には細心の注意を払っています。
しかしお墓を建てること同じくらい、場合によってはそれ以上に【お墓を支える基礎】を重要だと考えています。
お墓を支える基礎は「コンクリート部分」と「地盤強化部分」でできています
コンクリート部分を丈夫につくるのは当然ですが、実はこの「地盤強化」がすべてを支える大事な部分になっており、その方法もいくつもあります。
例えば…
- 砕石にて地盤強化を行う方法
- 栗石にて地盤強化を行う方法
- 杭を打ちこみ、硬い地層の支持力を使う方法
- 特殊な方法で杭を打ち込み、地盤を固めていく方法
- らせん状の金属杭を打ち込み、地盤の摩擦力を高める方法。
- 発砲スチロールの様なウレタン素材を用いて、地震による振動を上に伝えない方法
- 専用資材を使い、水が湧くような軟弱地盤でも地盤強化を行う方法
それぞれに特徴があり、施工に資格が必要なものもあります。
上記工法の中で一般的なもの施工法は
- 砕石にて地盤強化を行う方法
- 栗石にて地盤強化を行う方法
となります。以下、「砕石」と「栗石」の違いをご説明します。
砕石による地盤強化について
砕石には以下のような特徴があります。
①運搬、施工が容易
砕石とは「石を砕いたもの」です。
砕石は大きさで区別され、。
通常は0-40(ゼロヨンジュウ)といい砂粒の様な0mmから40mm程度の大きさの砕石を混ぜたものを使います。
砕石は運搬や施工がしやすく扱いやすいのが特徴です。
小分けして一輪車や手で運ぶこともできます。
②機械で叩くと硬く締まる
0-40砕石は機械で叩き締めると硬く締まります。
これにより硬い地盤を作ることができます。
③締まる層が薄く表面的である
叩けば締まる砕石ですが、厚み15㎝程度と限定的です。
また、地中に水道(みずみち)ができていると、その水を伝ってすき間ができて崩壊する可能性もあります。砕石の下の地盤への影響はあまりありません。
栗石による地盤強化について
栗石には以下のような特徴があります。
①運搬、施工に手間がかかる
栗石とは10㎝~20㎝程度の大きさの石を指します。
栗石は運搬が面倒で、大きいためスコップで救っても1つか2つ程度と非常に扱いにくいものです。
栗石は砕石の様にただ放り込めば良いというものではなく、1つ1つ形状を見ながら縦使いで並べていく必要がありますので、非常に手間がかかります。
また良質の栗石を扱っている場所は年々減っていて、手に入れにくくなっています。
②地面にしっかり食い込む
栗石は敷くのではなく叩き込むので地面にしっかり食い込みます。砕石とくらべて地盤の支持力を大きくします。
③崩れにくい
しっかりと敷き詰められた栗石は少しのことで崩れることはありません。多少周囲の土が流れていっても、栗石は動きません。
砕石、栗石のどちらが優れているのか
結局、砕石と栗石のどちらが優れているのかは、施工を行う地盤により異なります。
掘削した地面にある程度の硬さがあるのなら、砕石でも十分です。
ただし墓地は条件の良いところばかりとは限りません。むしろ条件が悪いところの方が多いと思われます。
ですから、石の立山では基本的には栗石を使って地盤強化を行います。
砕石も栗石も両方使ってみた経験から、栗石の方が地盤を締め固める力があると感じています。
地盤反力が必要であると思うときは、栗石の上に砕石で締める方法もあります。
この様な掘削作業は、完成してからではみることができませんが、非常に重要な工程です。
石の立山ではこの工程を確認していただけるように、施工資料をお作りして、完成後お渡ししております。
軟弱地盤をも活かすD-Box
従来の施工法では以下の様な場所で、丈夫な基礎を作成することができませんでした。
- 水位の高い砂質地盤:水が湧きやすい場所です。地震の時には液状化現象が起こりやすい。
- 水を多く含んだ粘性質の地盤:お墓を建てた後、その重みで土中の水がゆっくりと排出されるため、時間をかけてゆっくりと沈んでいきます。
- 交通振動により細かく揺れる地盤:常に細かな振動が起こるので、劣化が早くなります。
現在、そのような地盤に対してはD-Boxを使った地盤改良法を行うようにしています。
D-Boxの特徴
- 液状化防止効果
- 地震動の振動低減効果
- 地盤補強効果
- 凍上防止効果
- 土中で分解されることがなく、土壌を汚染しない(製品耐久年数は半永久的)
水が湧いてくるような軟弱地盤でも、地盤を固めることができます。
国土交通省NETIS(公共工事における新技術活用システム)にも登録されています。
D-Boxを正しく施工するには資格が必要となります
D-Boxを正しく施工するためには研修に参加をして資格を得る必要があります。
D-Boxをお考えの方は資格を持っている石材店をオススメいたします。
有資格者はこの様な資格証を持っています。