【雪でお墓が壊れた時、石材店が保証してくれるのか】
今年は雪が多いですね。
こんな年は春になるとお墓の修理がいつもより増えます。
今日の相談者は「建てたばかりのお墓を、雪のために壊れた時の保証」について質問されています。
数十年前に建てたお墓なら仕方ありませんが、わずか数年で壊れると「ぐぉぉぉぉぉぉ!!!」と叫びたくなりますよね。
果たして石材店は保証してくれるのか?
仮に10年保証をうたっていても、無条件で無料修理をすることはまずありませんし・・・・
保証を考えるよりも最初から丈夫な施工をする石材店を選ぶことが大切です。
これはお墓が壊れたときについても通じるところがあります。
参考にしてください。
質問:雪で壊れたお墓の修理は石材店が保証してくれるのでしょうか?
雪が溶けた春先、お墓参りに行くとお墓が壊れていました。
おそらく今年は積雪が多かったからだと思います。
でもお墓は昨年建てたばかりです。この場合、石材店の責任で直してもらえるのでしょうか。
回答:石材店側が「お墓が壊れること」を認知・予見していたかが重要になってきます。
今回の事例がお墓だけの損壊とすると、民法に基づく瑕疵担保責任や責務不履行責任などによる救済が考えられます。
この場合、石材店が「作成したお墓に、本来備わっているべき性能が欠いていること」を認知しているかどうかが重要になってきます。
つまり「この設計、施工では積雪に耐えられない」と石屋が知っていれば、法的的責任を問える可能性が高まります。
もしくは、ボンドの使用量が規定より少なかったり、止め金具を本来より細いものを使用しているなど、設計や施工に注文された通りの本来備わっているべき性状が欠いていた場合も、石材店の施工ミスと言えるでしょう。
しかし、「数十年に一度」といったまれにみる大雪のために壊れたのであれば、石材店に責任を問うことは難しいでしょう。
これは予見ができない不可避の自然現象により発生したものであり、不可抗力によるものと言えるからです。
お墓職人としては
ただお墓職人の立場で言わせてもらいますと、自分が建てたお墓に破損が起きた場合、『たとえ不可抗力であったとしても、できることをして差し上げたい』と考えるものです。
ましてや昨年建てたばかりのお墓であればなおさらです。
今回の場合は建てた石材店に現状を見せて、「なぜこのようになったのか」を専門家の観点から説明を受けることをおススメいたします。
それから改修方法や費用面を検討した方がよいかと思います。
特に建ててから1年経つかどうかなので、修理については石材店の全面的な協力を得られる可能性が高いと思います。
場合によっては他の石材店に検証してもらうことも必要になるかもしれません。
こんな事態を防ぐには石材店選びが重要
このような事態を防ぐには、やはり『丈夫なお墓を作ることができる石材店』にお願いすることが一番です。
ここでいう『丈夫なお墓』とは
- セメントではなく、墓石用ボンドなどで接着している。
- 組み立てにボンドと金具を併用している。
- 以上の施工の様子を写真などで記録して後で確認することができる。
などの「耐震(免震)施工が行われているお墓」を指します。
そのためには「地震に対してできる限りの対策を取り、それを顧客に明示している石材店」を選ぶことが大切になってきます。
また、世界的にも地震が多い日本において、耐震(免震)施工を標準施工としている石材店を選ぶことも大事です。
お墓の耐震施工については『お墓の耐震・免震施工について お墓と地震の関係について』などをご覧ください。
お墓の倒壊のために人がケガをした場合
お墓の倒壊によって、人の命、体に被害をもたらした場合や、欠陥があったお墓以外の財産に損害が発生した場合、製造物責任法(PL法)による損害賠償の請求権が認められることがあります。
製造物責任法については以下のサイトに詳しく書いてあります。
ただし下記の通り製造物責任(PL)法には期間制限があります。ご注意ください。
本法に基づく損害賠償請求権は、原則として、損害及び賠償義務者を知ったときから3年の消滅時効、または製造物を引き渡したときから10年の除斥期間により消滅する。
(引用:製造物責任法 ウィキペディアより)
お墓の損壊は発見が早ければ早いほど修理が容易です
一般的に、お墓の損壊は発見が早ければ早いほど修理も簡単でかかる費用も少なくなると言えます。
ですから春になり雪が解けたら、すぐにお墓まいりに行くことをおススメいたします。
お墓をみるときは石と石のつなぎ目を重点的に確認すると初期段階で見つけることができます。
スキ間やひび割れなどを発見した場合、速やかに石材店に連絡することをオススメいたします。
修理にかかる費用は現場を見てみないとわからない
簡単な補修でしたら数千円から数万円ほどでできます。
ただ、実際の修理にどれくらいの費用がかかるかは、破損部分を拝見しないとお伝えできません。
例えば水漏れひとつとっても、原因によってその対策は異なるからです。
「見積無料」という石材店が多いですし、「見積を依頼する」=「仕事を依頼する」というわけでもありません。
施工に関しての良し悪しを見極めるためにも、いくつかの石材店で見積をとることをおススメいたします。