分家の私たちが、実家のお墓をもらって建ててもいいのですか?

  • 2017年11月20日
  • 2018年2月27日
  • お墓
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相談内容

主人が「実家がお墓を新しく建て直すので、今あるお墓をもらってわが家のお墓にしよう」と言ってきました。
お墓は30年ほど前に建てたものです。そのお墓をわが家のお墓にしていいものなのですか?
私は「できれば新しいお墓がいいなぁ」と思っています。

お墓職人の答え

実家で使用していたお墓をもらいうけ、それをわが家のお墓として使用することはごくまれにですがあることです。
ただそれにはいくつか気を付けなければいけないポイントがあります。

実家からお墓をもらいうけるときに気をつけること

ポイント1:なぜ建て直すのか確認しましょう。

今回はご実家がお墓を建て直すようですが、通常、お墓を建てなおすのはお墓に不都合が出てきたからです。
それをそのままご自分の墓地に持ってきても再び不都合が起こるかも知れません。
ですから「なぜお墓を建てなおすのか」その理由を確認したうえで、そのお墓を使用するのかをご検討することをオススメします。

ポイント2:新たに名前を彫るスペースがあるのか確認しましょう。

ご実家からお墓を受け継いだ場合、そこに刻まれているのはご実家の建墓者の名前であるのが一般的です。
今回、ご相談者は分家されているので、新たに自分たちのお名前を彫刻したいと考えられるかもしれません。
そのスペースがあるか確認が必要です。

「既に彫刻されている文字を消して、新たに追加できないのか?」と言われることもあるのですが、その場合は

・その面全体を削る
・上から別の石を貼る
・文字をパテなどで埋める
しかありません。

ポイント3:ご家族の気持ちがまとまっているのか確認しましょう。

実はこれが一番大事なポイントかもしれません。
お墓は家長だけが関わるものではなく、その家族にも関係があります。
特に「旦那さんがよくても奥さんが拒否反応を示す」ことはよく聞く話です。(ご実家との関係がよくても、お墓は別という奥様は多いです。)
一般的に女性の方が寿命が長く、夫の死後にお墓を見ていくのは奥様であることが多いのですから、奥様の考えを無視するのは得策ではありません。
そしてそんな姿をお子さん、お孫さんも見ています。
ですから、ご家族皆さんの気持ちがまとまっているのかは重要なことなのです。

古いお墓を受け継ぐメリット

・費用を多少抑えられるかもしれません

新たに墓石を用意する必要がないため、その分かかる金額が少なくなる可能性があります。
ただし、解体移転費用やお墓をキレイにするための経費などがでてくるので、「思ったより安くならなかった」という場合もよくあります。
必ず事前に見積もりを出してもらい、比較してみましょう。

・思い出を引き継ぐことができる

子供のころからお参りしていた実家のお墓を受け継ぐことは、そこに付随する思い出も引き継ぐことができます。
お墓には建てられた方や守ってきた人々の想いが詰まっています。
その気持ちを大切にしようとするのは素晴らしいことだと思います。

 

お墓職人がオススメする古いお墓の引き継ぎ方

私は
・メンテナンスのしやすさ(利便性)
・お墓全体の強度(地震対策)
などを考えて、古いお墓全体を残すのではなく、一部のみを残すことをオススメしています。
その場合は一番上の石(トボ石、竿石、仏石と言われている部分)を残します。

また石自体を遺さなくても、お墓のどこか一部に「先代○○が墓碑建之するも、傷み激しく新たに建て直す」など刻む場合もあります。

お墓の形状や石の状態、新たに建てる墓地の条件により方法は異なりますので、信頼のおけるお墓職人に相談して見られてはいかがでしょうか。