子供は成長するために真似をする
うちの4歳のチビはいつも私の真似をしたがります。
私が雪かきをしていれば「ボクもしたい」と一緒に雪かきをします。
私が重いものを運んでいれば「ボクだってできる」とつながってきます。
線香に火をつけているときも、榊の水を換えているときも、「ボクにもさせて」と言ってきます。
正直、作業中にまとわりつかれると、危ないし作業の邪魔になるので「うっとおしい」と思うことも。
でも、『真似る』行為は子供の成長には欠かせない行動です。
『学ぶ』ことは『真似る』こと
『学ぶ(まなぶ)』も『真似る(まねる)』もその語源は同じで、『まねぶ』だと言われています。
子供は見るもの聞くものすべてを模倣し、模倣することで経験を積み、そこから思考を発展させていきます。
つまり「学ぶ」ことは「真似」ること。
私の石工としての修行も、思い返せば父の真似から始めていました。
理屈もわからないまま、見よう見まねでやってみる。
小学生の私がウロチョロしていたのですから、ジャマでしかなかったはずです。
今だからわかるのですが、子供に気を配りながら仕事をするのは、少なく見積もっても3倍は疲れます。
私は父は短気な人だと思っていたのですが、その認識を改めなければいけないようです。
『習う』ことは『慣れる』こと
『慣れる(なれる)』の古い形は『慣る(なる)』であり、これが変化して『習う(ならう)』ができました。
「なんども同じことを繰り返し、慣れること」=「習うこと」と言えます。
『慣る(なる)』とは『成る(なる)』にも通じるものがありますね。
真似から始め繰り返し慣れていくことで「理想の姿に成る」のです。
平均学習定着率
ただ、学ぶ方法は「真似る」だけではありません。
大きく分けて7つのやり方があります。
そして、「人間の学習の定着率は学ぶ方法によって異なる」という研究結果が報告されています。
その7つの学習の方法を以下にあげてみましたので、学習効果が高いと思われる順番に並べてみてください。
1)資料や書籍を読む
2)実際にやってみる
3)実演を見る
4)他者とそれについて議論する
5)他者に学んだことを教える
6)ビデオや音声などで学習する
7)講義を受ける
「講義を受ける」のが一番学習定着率が低いことは、容易に想像できると思います(笑)
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正解は
(学習効率が高い)5>2>4>3>6>1>7(学習効率が低い)
・他者に学んだことを教える
・実際にやってみる
・他者とそれについて議論する
・実演を見る
・ビデオや音声などで学習する
・資料や書籍を読む
・講義を受ける
失敗することは学ぶことにつながる
これを図示したもので有名なのがラーニングピラミッドです。
*インターネットで検索してみるとケバケバしい図しかなかったので、シンプルなものを作ってみました。
「絶対にこの方法で学ばないといけない」とは思いませんが、非常に興味深いデータです。
そして「学習定着率が高いこと」は「失敗しやすいこと」でもありますね。
そう、失敗することは学ぶことにつながるのです。
極端な言い方をすると、「失敗なしで学ぶことはあり得ない」もしくは「失敗を避けることは何も学ばないこと」となります。
もっと多くの伝える機会を持つために(ものづくりマイスターに登録)
ですから、こんな講習会を受けてきました。
<ものづくりマイスター指導技術等講習会>
ものづくりマイスターとして登録すると、小中学校からの要請で、講義や体験教室などの指導ができます。
つまり、多くの子供たちに教える経験がつめるのです。
これは、ラーニングピラミッドにおける「他者に学んだことを教える」ことにつながります。
ものづくりマイスターは厚生労働省の管轄です。
厚生労働省「ものづくりマイスター制度」では、 建設業及び製造業における112職種を対象に、高度な技能を持った「ものづくりマイスター」が技能検定や技能競技大会の課題等を活用し、中小企業や学校において広く実技指導を行い、効果的な技能の継承や後継者の育成を行っています。また、小中学校等での講義や「ものづくり体験教室」等により、ものづくりの魅力を発信しています。
また、富山県でものづくりマイスター事業を進めているのは富山県職業能力開発協会です。
私はもともと「技術指導員」の資格は持っていたのですが、それでは大人にしか伝えられません。
父が私に教えてくれたように、私が自分の子供たちに伝えていることを、もう少し多くの子供たちに発信していけるようになりたいな、と思っています。
小中学校での講義は経験したことがないので、最初は失敗ばかりだと思います。
しかしそこから得られるものは大きいはずです。
何を教えられるのか
私の場合は石工としてものづくりマイスターに登録するので、
・勾玉づくり教室
・石に絵を描く
などになると思いますが、個人的には朝活@富山で話したような「お墓に関わってきて学んだこと」なども伝えられたらいいなぁと思っています。
もしそのような機会があれば、声をかけていただけると嬉しいです。
直接声をかけていただいてもいいですし、メールでも、このサイトの問い合わせフォームからでもご連絡いただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。