お墓には「お墓を建てた人の名前」や「建てた年月」を刻みますが、命日や法名(戒名・法号)、享年などを刻むことは「今は」非常に少なくなっています。(特に富山県では)

また、新たにお亡くなりになられた家族の名前を、お墓に刻むことも少なくなっています。

富山県のお墓には主に俗名を刻む

富山県では、現在、お墓に法名などを彫刻することはあまりありません。(昔はありました)

お墓に刻む文字は
1)お墓を建てた方のお名前
2)その配偶者のお名前
3)ご両親のお名前
4)お子様のお名前

その他にも建立年月、家紋、『南無阿弥陀仏』などの名号、お題目などです。

上記の「お名前」はいわゆる「俗名(生前に名乗っていた姓名)」です。

命日や法名は墓誌に記す

では法名や戒名、享年や命日などはどこに記すのかというと、お墓の他に『墓誌』を用意してそこに刻むのが一般的です。

『墓誌』というのは一般的にはお墓のそばに置く黒石でできた石板のことです。

また『お墓に名前が刻まれていない家族』が亡くなった場合、新たにお墓に追記するよりも墓誌を用意して名前を遺すことが多くなっています。

お墓と墓誌

お墓と墓誌の写真(富山型墓石 洋型墓石) 写真赤線で囲ってある部分が墓誌

墓誌は白御影石で作成することもありますが、写真のように黒御影石で作成するのがほとんどです。

墓誌に記すのは

墓誌には以下のような情報を刻みます。

・法名(戒名や法号)
・命日
・享年(行年)
・俗名

場合によっては代数(初代や三代など)を刻む場合もあります。

一般的には縦書きで右端からお亡くなりになった順番に記します。
まれにですが、あらかじめ初代から代数を彫刻しておく場合もあります。

墓誌を黒御影石で作成する理由

墓誌は比較的多くの文字を彫刻するので、彫刻した時に文字が見やすい黒御影が好まれます。

石は紫外線劣化が少ないとされるインド産の黒御影石をオススメしています。

黒御影石に刻んだ文字に白色や銀色をペイントすることで視認性を高めることもできます。

法名と戒名と法号について

戒名とは仏教徒になった時に付ける名前のことです。
つまり、生前でも戒名を付けることができます。
ただ、今日ではほとんどの方が亡くなった時に門徒のお寺からいただくようになっています。

戒名・法名・法号などは宗派によってその呼び方が異なります。

浄土真宗と日蓮宗以外の宗派では『戒名』と呼びます。
浄土真宗は『法名』
日蓮宗は『法号』と呼びます。

インターネットで戒名や法名について調べていましたら、なるほどと思われる説明がありましたので引用いたします。

戒名について

「戒名」とは、戒律(かいりつ)を受ける名ということで、出家して仏門に入り仏教で定められた戒律を厳守して生きる身となったという誡(いまし)めの名です。

引用:真宗大谷派(東本願寺)大阪教区 銀杏通信

また

法名について

戒律を守って修行をするのではなく、ありのままの生活の中で仏の本願(ほんがん)を聞き開いていく私たち真宗では、「戒名」を付ける必要はなく、「法名」を受けます。

引用:真宗大谷派(東本願寺)大阪教区 銀杏通信

 

ちなみに、
【法名】は浄土三部経(『仏説無量寿経』、『仏説観無量寿経』、『仏説阿弥陀経』の三つの総称)から、
【法号】は日蓮宗の経典である『法華経』からというように、
それぞれの宗派の経典からその人にふさわしい文字を選び、俗名の一文字と組み合わせるのが一般的です。

 

行年と享年の違い

「亡くなった時の年齢」の表記には2パターンあります。

【享年】死亡時の年齢を数え年で表記したもの。
【行年】死亡時の年齢を満年齢で表記したもの。

昔からある行事では数え年が使われている。

昔からある伝統行事では、一般的に数え年が使用されています。

・七五三
・厄年
・祝い年(米寿・喜寿・傘寿など)

お墓も昔は【享年(数え年)】が使われています。

ただ今はほとんどのお墓が【行年(満年齢)】を刻むようになっています。

*私たち「石の立山」では、享年と行年の選択には、施主様の意見を尊重しています。

満年齢とは(今の年齢の数え方)

今は年齢を数えるとき、生まれたときを0歳として、その1年後の次の誕生日に1歳となります。

これは『誕生して1年間満ちた(達した)』という意味で『満年齢』と言います。

2015年12月30日に生まれた子は
2015年12月30日は0歳。
1年後の2016年12月30日に1歳になります。
2017年1月1日の年齢は1歳のままで、
2017年12月30日に2歳になります。

数え年とは(昔の年齢の数え方)

昔は「数え年」を使用していました。

「数え年」の特徴としては
・生まれた時点で1歳とすること。
・誕生日ではなく、新年を迎えると歳が増えること。

つまり
2015年12月30日に生まれた子は
2015年12月30日は1歳です。
2016年1月1日に2歳。(わずか二日で年を取る)
2016年12月30日でも歳を取らず2歳。
2017年1月1日になると3歳。

数え年は『正月にみんな一緒に年齢が上がる』というわけですね。

ちなみに、上記では1月1日を新年を迎える日としましたが、実際は旧暦の正月である2月4日ごろに年齢が上がっていたようです。

「(生まれた年を1才として)何回年を迎えたか」を示しているので、ですから「数え歳」と書かず「数え年」と書くのが一般的です。

数え年がこのような仕様になったのは『昔は0の概念がなかったから』と言われています。

ちなみに数え年の名残は
元号(昭和、平成など)も0年はありません。平成元年(1年)から始まります。
妊婦さんの月齢も0ヶ月ではなく1か月から始まります。
などにあります。

上記の『2015年12月30日に生まれた子』の例を見比べてみればわかりますが、
タイミングによっては数え年は「満年齢+1」となる場合と「満年齢+2」となる場合があります。

数え年と満年齢について表にまとめてみました。

享年や行年に「歳」や「才」を付けないんだけど…

本来、
【享年】死亡時の年齢を数え年で表記したもの。
【行年】死亡時の年齢を満年齢で表記したもの。

なので「享年」や「行年」には年齢という意味も含まれています。

ですから「享年八十二」や「行年七十七」などのように享年や行年のあとに歳(才)を付ける必要はありません。(「頭痛が痛い」や「空っぽの空き缶」のような感じです。)

ただ、今では「享年八十二歳(才)」「行年七十七歳(才)」と表記されることが多くなっており、
墓誌に刻むときも「享年八十二歳(才)」「行年七十七歳(才)」とすることが一般的になっています。

「才」は「歳」の略字

[日本] 「」の代わりに、年齢を示す字として用いられる。

引用:漢字辞典オンライン

とされています。

ただ、石に彫刻するとき文字が小さく「歳」を彫るのが難しい場合は、「才」を使用します。

まとめ

  • お墓には「俗名」と「建墓年月」を刻むのが一般的
  • 「法名(戒名)」「命日」「行年」などは墓誌を用意して刻む
  • 墓誌には「亡くなった順番」に記していくのが一般的
  • 昔は墓誌に享年(亡くなった年の数え年)を記したが、今は行年(亡くなった年の満年齢)を使用するのが一般的
  • 「数え年」は生まれた時を1歳とする。「満年齢」は生まれた時を0歳とする。
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