何事の おはしますかは 知らねども

神社の参道の風景

私は子供の頃から、初詣には地元の雄山神社に行っています。

 

雄山神社は3つあります。

立山の山頂の本社。
前立社として山を降りた芦峅寺(あしくらじ、地名)の雄山神社。
そしてより町に近い岩峅寺(いわくらじ、地名)の雄山神社。

「地元の人は芦峅寺の方に行くんだ」
私はそう父から聞いており、やはり昔から初詣は芦峅寺の雄山神社に行っていました。

 

毎年、亀山家では新年の朝、朝食をとったらすぐに初詣に行きます。

車で片道約40分。
お年玉ももらいホクホクな道中は、お参りのことよりもお年玉で買うゲームのことばかり考えていました。

今までと同じような日が、今日も明日もこれからもずっと続くと信じていた時期でした。

 

今年はちょっと趣向を変えて、神社で新年を迎える「年越し初詣」をすることにしました。

 

父に手を引かれて歩いた参道を、今は私がチビの手を引いて歩きます。

凛とした冷たい空気か、頬に心地よく感じます。
口から吐き出される白い息で、チビが怪獣ごっこをしています。
参拝の順番待ちも、子供たちの様子を見ているとあまり苦にはなりません。

 

家族そろって正殿に手を合わせるとき、私はいつも父に教えてもらった西行法師の俳句を思い出すのです。
 
何事の おわしますかは 知らねども
かたじけなさに 涙こぼるる
(西行法師)

 
 

今年もよろしくお願いいたします。

令和元年 大晦日
お墓職人 亀山龍厳