桜とチビが教えてくれたこと

  • 2020年4月16日
  • 2021年2月5日
  • 日常
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今年は日本全国、いたるところで例年よりずいぶん早く桜の開花宣言が出されました。

3月27日。

1953年の統計開始以降、2番目の早さです。
そのおかげで富山では珍しい、桜が咲く入学式を迎えることができました。

 

「新型コロナウイルスの影響で、入学式は在校生と保護者のみ」と連絡がきていましたが、私は少し心配していました。
そのころはまだ富山県の新型コロナ患者の発表はありませんでしたが、日本各地で日増しに数が増えています。
ニュースでは不安を煽るような報道をし、少しずつ生活に支障が出てくるようになっていました。

感染してから発症まで少し時間がある上、無症状無自覚でウイルスを拡散してしまう可能性があります。
少人数の集まりも控えるように政府から発表がありました。

そんな中、大勢の人が集まる入学式をやっていいのか?参加していいのか?
非常に悩むところでした。

ただチビはそんなことお構いなしに、小学校入学を楽しみにしているようです。
今日もランドセルをひとりでかつぐ練習をしていました。

 

私がチビと呼んでいる次男は、年齢の割には背が高い方だと思います。
それでもランドセルはその体よりとても大きく、不釣り合い見えます。

真新しいランドセルからは革製品特有の匂いがしました。
まだこなれていないため少し硬いのですが、これから徐々にチビの身体になじんでいってくれるでしょう。
私は肩ひもの長さを調整しながら「今度は制服を着てみようか」と提案しました。

真新しい制服に真新しいランドセル。

ピッカピカの♪ 一年生♪

あの有名なCMのフレーズがピッタリの新一年生のできあがりです。
入学式でもらえる黄色い帽子をかぶれば、雑誌の表紙でも飾れるんじゃないだろうか。
なんて親バカな想像をしてしまうくらいでした。

 

おかげさまで入学式はつつがなく終了しました。
私は仕事の都合で参加はできなかったのですが、校門から出てきたチビの笑顔を見てとても楽しかったのだろうことはわかりました。

ただ残念ながら入学式のあと、学校は臨時休校となりました。
楽しみにしていた学校生活はたったの1日でお休みです。

楽しくも退屈で辛い勉強の日々があるから、思いっきり遊べる休日が待ち遠しいのです。
まだ何にもしていないのに休みになっては、その喜びも半減してしまうでしょう。
ましてや外出するのも憚られるようなこのご時世。
私たちが知っている休みの楽しさを、この子は知らないまま過ごすのかもしれません。

その代わり学童保育には通うことができ、そこで本来学校に居る時間を過ごすことができるようです。
友達と遊び、自習ではありますが勉強する時間もあります。
そこでわからなかったところも少し見てくださります。
働く親にとって、これほど心強いことはありません。

帰ってきてから早速、教えてもらったばかりの足し算を私に教えてくれました。
今は楽しくて仕方がないようです。

もしかするとなかなか学べない環境だからこそ、逆にその時間の大切さがわかっているのかもしれません。

窓の外には隼桜の桜がいつもより長く咲き、私たちの目を楽しませてくれています。

雨にも負けず、風にも負けず、まるで今自分にできることを精一杯楽しむかのように、その美しい花を咲かせています。