秋彼岸のお墓参りはハードルが高い
「お盆にお墓参りに行ったばかりだから、秋彼岸は別に行かなくてもいいかな」
バチ当たりな考えかもしれませんが、お墓職人の私でもついそう思ってしまうことがあります。
富山のお盆は8月15日で、秋彼岸は9月20日から26日。
お盆からたったの1か月ちょっとで秋彼岸になります。
ロウソクと線香、そしてお花を用意して墓地に行く。
お墓参りに必要なものは近所ですべてそろうし、墓地まで車で10分と近い。
それなのに、たったそれだけのことなのに腰が重くなってしまいます。
それに加え、秋彼岸のお墓参りは、「お盆にも行ったからお彼岸はいいかな」という思いが頭をよぎりやすいので、本当にハードルが高いのです。
お盆とお彼岸(秋彼岸)にお墓参りに行く理由を簡単に説明
もともとお盆にお墓参りに行くのは、お釈迦様が「(地獄で苦しんでいる弟子の母親を救うために)夏の修行が終わる7月15日(※)に飲食物を捧げて供養しなさい」と言ったのが始まりだそうです。
※旧暦の7月15日は新暦に直すと8月15日になります。
秋彼岸は、収穫を祝う気持ちと収穫物を神様やご先祖様に捧げる祭祀、先祖供養につながったのではないでしょうか。
また昼と夜がほぼ同じ時間になるため、この世(昼)とあの世(夜)が近くなり「こちらの思いが個人に届きやすい時期」という説もあります。
<参考>
秋彼岸にお墓参りに行くのはなぜか。お墓職人がお彼岸について話します。
秋彼岸にお参りに行けなかったときの言いわけは
ですから私は「秋のお彼岸は、お盆にお墓参りに行けなかった人のための救済日」と思うことにしています。
「秋彼岸はお盆の救済日。だからお盆にお参りに行ってるのなら、無理していかなくてもよい」という理屈です。
もちろんこれは単なるお彼岸に行かないことへの、私が考えた言い訳ですけどね。
「秋彼岸にお参りに行けなくても大丈夫、お盆に行ったもんね」
そう思うとちょっと気が楽になります。
なんにせよ、行かなかった言い訳ができるのはありがたい。
それでもやっぱり、できれば家族みんなで、秋彼岸もお参りに行きたいなと思っているんですよ。
だって祖父も祖母も生前、私が間をおかず顔を見せに行ったときはとても喜んでくれましたから。